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地域通貨のメリットデメリットは?|失敗例から学ぶ地域活性化

 

地域通貨って何・・?

 

地域通貨のメリットとデメリットが知りたい!

 

地域通貨って成功させるの難しいんでしょ?

 

こんな風に考えている人に向けて、この記事では解説しています。

地域通貨のメリット・デメリット・失敗例について知りたい人には、特におすすめの記事になっています。

 

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地域通貨とは?

地域通貨とは円やドルなどの法定通貨とは違い、使用できる地域が限られている通貨のことを指します。

 

地域通貨は商品券のように紙媒体で発行されているものや、電子化されてデータとして売買に使用されているものが存在します。

電子地域通貨にはブロックチェーン技術が導入されているものもあり、このような地域通貨には注目が集まりつつあります。

 

地域通貨には現在日本国内だけで500以上もの種類があり、元は紙幣で発行されていたものが電子化し、地域通貨として残り続けているものも存在します。(※2017.4.19現在=677件)

※http://cc-pr.net/list/ 地域通貨全リスト 参照

 

また地域通貨の役割は地域を活性化するために、作られた仕組みと言っていいでしょう。

地元の加盟店では手数料が安いのに対し、地域外から出店した場合は手数料を多めに取ったりするなど、地元を大事にするための仕組みを取り入れている地域通貨もあります。

 

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地域通貨のメリット

地域通貨のメリット

地域通貨のメリットとして、主な4点を以下にあげていきます。

 

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地域通貨の希少性

地域通貨の中には通常購入できないものもあり、希少性がある地域通貨もあります。

例えば鉄腕アトムをモチーフにしたアトム通貨では、社会貢献活動をしないと入手することができず、一切販売を行っていない地域通貨も存在します。

 

このような希少性から、地域通貨そのもの自体に価値があるというメリットがあります。

 

通貨の意味や定義について|本来持つ価値について考えてみよう

 

お金の循環促進

2点目のメリットに、お金の循環を促進する点を挙げたいと思います。

 

これは経済の話になりますが、お金の使い方は大きく分けて、消費と貯蓄の2種類があります。

 

経済はお金を消費することで盛り上がり、景気が良くなります。

しかし、もう1つの貯蓄はお金の流れを止めることになり、経済を活性化させることに繋がりません。

 

地域通貨は使い方が消費することに限定されていて、地域の経済を活性化させる効果を持っています。

つまり地域通貨は貯蔵させるのではなく、消費によって経済を循環させることができます。

 

消費の促進

3点目のメリットです。

 

地域通貨が持っている特徴として、使用できる範囲が限られていたり、有効期限を持っていたりするなど消費の仕方が限定されています。

 

ゲセルが1か月ごとに、価値が10%ずつ減少していく貨幣を発行したことも有名です。(※シルビオ・ゲゼルは自由貨幣の概念を提唱した人)

このように消費しなければ価値が下がったり、期間が過ぎれば使用できなくなったりするなどの特徴は消費の促進に繋がります。

 

実際に地域通貨導入後、地域内での消費の循環が速くなったというデータも多くあります。

つまり地域通貨の効果によって、景気が良くなっているということですね。

 

新たなビジネスの可能性

4つ目のメリットの紹介です。

 

紙幣を使って取引をしている場合、店側は売買した取引のデータを管理することが難しいです。

しかし電子化すれば利用データを管理することが簡単になり、消費者の行動を分析することができます。

 

このようなメリットを活かすために地域通貨の電子化が進んでいます。

 

地域通貨は地方の自治体だけでなく、金融機関でも取り組みたいと考えている機関もあります。

 

金融機関にとって、地域通貨を利用することは融資先を見つけるためにとても便利な仕組みです。

取引情報を活用して、地域内の最適なビジネスマッチングを可能にする効果を地域通貨は持っています。

 

地域通貨のデメリット

地域通貨のデメリットとして以下の3つの問題点があげられます

 

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使用できる場所が少ない

地域通貨を取得できたとしても、地域通貨がその地域全てで使用できるわけではありません

そのため地域通貨を持っている利用者が、使いたいと思える消費先がない場合には循環が止まり使用することなく有効期限切れになるといったケースもあるようです。

 

このように地域通貨の使用用途が限定されていることを、利用者に印象付けてしまうと、利用する人口が減少してくことが予想できます。

 

導入、維持するためのコストが高い

2つ目に導入、維持するためのコストが高いということです。

 

地域通貨を導入するためには、利用者拡大のためのイベントや広報のためのコスト、認証や発行残高を管理するための維持費、電子化を考えているなら磁気カードやICカードの検討もしなければいけません。

 

広報費、地域通貨自体の維持費、地域通貨を利用するための仕組みづくり、地域通貨の発行費など、様々なコストが必要になります。

導入後の効果と初めにかかるコストをふまえて地域通貨を導入することが重要だと言えます。

 

企業間の取引に使用できない

最後の3つ目に企業間の取引に使用できないということです。

 

地域通貨を用いて取引を行うと、消費者から受け取った地域通貨が地元のお店に残ることになります。

しかしその受け取った地域通貨が、ある一定の地域内でしか使用できないのであれば企業が導入するのはデメリットの1つと言えるでしょう。

 

地域通貨による取り組みを今後、企業間の取引に使用できるようになれば、さらに地域通貨は普及していく可能性があるといえます。

 

このように地域通貨にはメリットだけではなく、問題点もいくつかあることが分かりました!

 

地域通貨で地域活性化

 

地域通貨の電子化

先ほどから紹介してきたような地域通貨の電子化されたものが普及すれば、入出金の記録などから金融機関は信用度を計測し、担保や保証に頼らずお金を貸すことができたり、さらに良い経済の循環を引き起こしたりできる案も考えられます。

 

地域通貨を普及させるためには、年代を問わずだれでも使いやすい仕組みにすることが重要です。

地方には高齢者が多く、その人たちが簡単に使用できれば、さらに地域の活性化につながると考えられますよね(*'▽')

 

仮想通貨

また、従来の地域通貨が電子化したり、ブロックチェーン技術が乗っているもの仮想通貨と呼ぶ場合があります

仮想通貨という言葉には若干悪いイメージがありますが、独自の経済圏で使用できる事や、お金以外で価値を持つものという観点からは共通点がありますよね。

 

利便性が高くなって、IT技術を伴うためセキュリティが必要になりますが、IT版の地域通貨が仮想通貨と、捉えても私はいいと思います。

 

地域通貨の失敗例

次に地域通貨の失敗例について見ていきたいと思います。

例として静岡県清水駅前銀座商店街の事例を用います。

 

実際に使われた通貨は駅前銀座元気ストリートの略称を用いてEGGとされました。

地域通貨であるEGGの導入の目的は経済的な利益を追求することよりも、地域の社会的幸福の実現がしたいという思いがあったようです。

 

通貨の形式は紙幣タイプではなく、プラスチック製のコインが用いられました。

理由としてはおもちゃ感覚を参加者に感じてほしいという思いがあったからという意図がありました。

 

結論からいうと、この例の取り組みは失敗に終わりました

 

理由としてこの地域の住民は、元々仲が良く親密だったそうです。

親密な関係性を持っているコミュニティで、コミュニティの再構築を目指して導入された地域通貨EGGは理解されづらく、地域がさらに活発化することはありませんでした

 

この制度導入により、地域通貨の交換をすること自体が面倒だと感じた住民も少なからずいたようです。

 

すでにある程度、活性化している部分をさらに盛り上げようする取り組みは、地域通貨にはもしかしたら向いていないのかもしれませんね。

 

https://ci.nii.ac.jp/naid/110004628234 Cinii論文 地域通貨はなぜ使われないか 参照

 

使用できる場所、条件

地域通貨の種類によって様々ですが、使用できる場所として飲食店や旅館、美容院など、幅広く利用できるのが地域通貨の特徴です。

クレジットカードでは支払うことはできませんが、地域通貨なら支払うことができるサービスも、地域によっては存在します。

 

また地域通貨を利用するにあたって、条件がある場合があり、観光客などの地域外の人のみ、使用することができる地域通貨もあります。

このような場合、旅行のパックやツアーに地域通貨が付属している形で、利用者に提供されるようです。

 

地域通貨の起源

地域通貨の起源

地域通貨の起源は300年以上前に遡ります。

 

300年以上前の日本では県という概念がなく、藩という地域分けによってそれぞれの地域が存在していました。

その藩では藩札というものを用いて、売買を行っていたようです。

 

この地域によって通貨がそれぞれ存在し、地域を活性化するための仕組みが、今の技術で応用されて現在に至っています。

他にも日本国内だけでなく、海外にも地域通貨のような仕組みは昔から存在していたようです。

 

地域通貨がなぜ生まれたのか

地域通貨が生まれた理由、背景として地域経済の停滞があげられます。

現在の日本では都市部に人口が集中し、さらに少子化によって地域の人口が年々減少しています。

 

この地域経済の停滞、地域の人口減少による地域の衰退を食い止め、活性化させるために生まれたのが地域通貨です。

 

まとめ

地域通貨のメリット・デメリット・失敗例・地域活性化をテーマに解説してきました!

 

最近では仮想通貨が世間をにぎわせていますが、地域通貨というのも存在していることを知っていましたか?

解説してきた電子地域通貨に、仮想通貨のブロックチェーン技術を導入することができれば、通貨に信頼が生まれ、安心できる地域通貨の使用が可能になるかもしれません。

 

また地域通貨は地域の経済を活性化させるために、取り組まれている仕組みだと説明しました!

これを反対に捉えると都心部ではない地域では、それほど地域が活性化していない、地域を活性化させたい、と考えている人が多いようにも受け取れます。

 

地域を活性化させるには様々な要因が必要になりそうですが、この地域通貨をきっかけに地域が盛り上がると良いですね!

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございました(*'▽')

 


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