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経済の仕組みについて|市場・金融・政府の役割から解説

 

経済の仕組みが知りたい

 

経済システムに影響を与えているものは?

 

報道されるニュースや社会情勢について理解を深めたい

 

こんな風に考えている人に向けて、この記事では解説しています。

市場・金融・政府などの役割について知りたい人には、特におすすめの記事になっています。

 

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経済の仕組み

経済は、貨幣取引や銀行の信用創造、政府による規制など、多くの考え方や概念によって構成されています。

経済とは「生産活動や生産活動を調整するシステム」と説明されますが、それだけではどのような仕組みなのか理解しづらいです。

 

この記事では仕組みを理解するため、経済を支えている要素や、関係しているキーワードについて解説していきます。

また、経済には計画経済や市場経済の考え方がありますが、市場経済が一般的になっている事から、ここでは市場経済の仕組みを経済として捉えていきます。

 

 

市場

市場(市場経済)

経済(市場経済)は、生産活動によって商品が生まれた後、それらを取引するためのシステムがあって成り立っています。

取引するシステムや場所の事を市場と言い、市場は「商品の流通度合い、需要と供給の状況」などによって、商品を適切価格に調整する機能を持っています。

 

例えばリンゴを例にすると、多くのリンゴ農家が天候や害虫の問題によって不作となれば、生産数が少なくなるためその年のリンゴ価格は例年より高くなってしまうでしょう。

商品の生産状況、商品を買いたい人・売りたい人の状況によって、商品価格が適正価格に調節されて取引が行えるのは、市場という仕組みがあるからです。

 

需要と供給

価格という視点で解説してきましたが、市場の仕組みで考慮されている原理は需要と供給のバランスです。

需要とは「商品・サービスを買いたい人」、供給は「商品・サービスを売りたい人」の事を指します。

 

再びリンゴの例で考えてみましょう。

例えばリンゴの供給が多く、需要が少ない状況であれば、あまり買われない事からリンゴの価格は値下がりします。

一方、リンゴに対して多くの需要があり、供給が少なければリンゴの数は限られるため、リンゴの値段は上がっていくでしょう。

このように市場の仕組みを利用した経済においては、需要と供給のバランスと商品価格が密接に関係しています。

 

市場とは何か|例・市場経済から分かりやすく解説してみた

 

市場競争

市場競争とは、企業などの経済主体が市場経済へ参加し、消費者獲得のために他の企業(経済主体)と競い合うことです。

 

市場動向が需要と供給のバランスによって変化するのであれば、ある企業が商品を効率よく生産できるシステムを作るとどうなるでしょうか。

販売できる商品が増えたり、より低価格で商品を販売できたりする事ができるでしょう。

 

この競争の仕組みによって、商品やサービスがよい良い物になり、消費者はより豊かになりやすくなります。

供給側の企業も多くの売上に繋がるインセンティブが得られ、市場競争の考え方を採用していることから、社会全体の豊かさや供給側、消費者側に多くのメリットがあるのが分かります。

 

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市場の失敗

市場の失敗とは、解説してきた市場経済の仕組みが効率的に機能していない状態です。

通常、市場経済に任せておけば商品ごとに適切な流通が行われ、適切価格が決まり、お金を介して必要な人に物を届けられます。

 

しかし市場を介さず、市場に悪影響を与える地震災害・排気ガスによる空気汚染などが発生すると、誰かが健康被害を被ったり、生産が非効率的になったりします。

市場の失敗が発生した場合、国(政府)が対処することになりますが、市場が健全な状態に戻るまで時間がかかかることも少なくありません。

市場経済を考える上で市場の仕組みは欠かせませんが、市場の仕組みがうまく機能しない場合もあるのが、市場経済の難しい点ですね。

 

金融

経済を支える金融

次は、経済の仕組みを考える上で欠かせない「金融」の仕組みです。

そもそも金融とはお金を貸し借りすることを意味し、経済主体の生産活動を助けたり、お金の価値を調整する機能を担っています。

 

お金が関係するものは全て金融だと考える人も多いですが、実際に金融が指すのはお金の貸し借りのみで、商品の購買や貯金といった行為は金融とはちがいます。

では金融が担っている機能や仕組み、経済に与える影響について解説していきます。

 

投資・資金調達の機能

金融は、経済主体の生産活動を補助する「投資・資金調達」の機能を担っています。

お金の貸し借りの仕組みがある事で、お金がない経済主体でも、資金調達によって事業を展開でき、借入によってレバレッジの効いたサービス作りができるようになります。

 

またお金を貸す投資家側には、利子というインセンティブがある事から、金融の仕組みはお金の借り手・貸し手両方にメリットがあります。

金融の「投資・資金調達」の仕組みによって、借り手側により機会(チャンス)が与えられ、貸し手側に報酬が与えられることから、金融は経済の仕組みをさらに効率化しているのが分かります。

 

金融は経済における「景気」と関係しているため、政府(中央銀行)は金融緩和や規制などによって、社会の状況に合わせて経済をコントロールできる側面も兼ね備えています。

 

【金融とは何か】金融の意味を分かりやすく解説

 

信用創造による市場活性化

信用創造機能とは、預金者が金融機関に預けたお金が、実際の量より多くの量となって市場に提供される事です。

この信用創造は、市場にあるお金の総量を増やし、経済を活発化させる効果があります。

 

例えばAさんが100万円預金し、支払準備金が10%という条件で、信用創造機能を用いると、金融機関は支払準備金10万を残せば、90万円を別の人に貸し出すことができます。

そして90万円に対する支払準備金10%を適用すれば、81万円を再度貸し出すことができます。

 

信用創造機能は、このサイクルによって本来の預金量より、多くのお金を市場に提供する事ができます。

最初は100万円だったお金が、金融の仕組みによってより多くのお金となり、市場経済を効率化させていることが分かります。

 

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経済における政府の役割

経済における政府の役割

次は経済の仕組みが正しく機能しているか、監視する政府について考えて行きましょう。

市場や金融の仕組みによって、経済は効率よくできるかもしれませんが、市場に任せきりの状態では、利益の獲得だけを目的にした企業が法律・人道に違反する行為を働くかもしれません。

そこで必要なのが、政府の存在です。

 

市場が健全に機能するよう、規制を行ったり政策を打ち出したりするのが政府の役割です。

ここからは市場・金融に対して、政府が行っていることを解説していきます。

 

政府の意味について|小さな政府や大きな政府などから解説

 

規制

政府は市場経済を効率的に機能させるため、企業に対して規制を行います。

例えば、多くの市場で導入されている「独占禁止法」が市場規制としては有名です。

 

独占禁止法は、会社間の協力によって競争相手を市場から排除したり、新規参入者への妨害などの行為を禁止しています。

また、株式取得などで他企業への影響力を強めたり、企業が市場を好きなようにコントロールする行為も禁止です。

 

市場の中でこのような支配的企業が生まれると、企業間での健全な競争が難しくなり、適切な価格決定ができなくなります。

政府の役割によって、市場が適切な在り方を維持しているのが分かります。

 

金融政策

金融政策は政府・日本銀行が経済の安定化を目指し、通貨及び金融の調節を行うことを指します。

通貨や金融の調節、というだけでは少し難しいので、例を見てみましょう。

 

例えば物価が下がり続け、経済活動が停滞しているとき日本銀行は政府の指示で新たに通貨を発行し、市場に出回るお金の量を増やすなどの対策を取ります。

現在、新たにお金を発行する手法はほとんど使われていませんが、日本銀行は今も様々な手法で市場に流通するお金の量をコントロールしています。

政府や日本銀行は金融政策を行うことで、物価がいきなり上がる、下がるといった問題を解決しているのです。

 

社会保障・所得の再分配

所得の再分配は社会に属する人全員が、最低限の生活を行うために必要な仕組みです。

累進課税制度などが所得の再分配機能を担っていて、多く稼ぐ豊かな人から、貧しい人にお金を分配し、社会保障によって国民全員の生活を支えています。

社会保障がなければ、完全な能力主義となり、経済において挑戦しづらい環境となってしまいます。

 

政府は社会保障・国民間の格差軽減によって社会における不満をなくす役割を担っているのが分かります。

そのため政府は経済システムの調整に合わせて、社会システムそのものの維持にも、尽力する必要があります。

 

まとめ

経済の仕組みを、市場・金融・政府の役割から解説してきました。

 

経済は取引を軸にして機能していますが、取引の場を市場とし、剰余資金と不足の問題を埋めるために金融があり、政府が規制を設ける事で、経済システムが上手く回っています。

より深くシステムを理解するには、市場や金融、政府とは何かという視点を持って、勉強していく必要があります。

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございました(*'▽')

 


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