マクドナルド化とは
マクドナルド化を分かりやすく説明すると、コストや経費を下げるためにマニュアルやサービスのプロセス定義によって、
提供するサービスを標準化し、従来のサービスに比べて安価で販売を行って利益を上げるビジネスモデルのことを指します。
従来のサービスでは提供するまでに、専門的な知識を持った人が知識のない人を教育・サポートする必要があったり、
その道のプロフェッショナルやベテランと呼ばれる人が、サービスを提供するまでの過程に組み込まれていました。
この流れが発生するため提供するサービスに、関わる人によって価値にばらつきが発生し、安定的な利益を出すことが困難となっていました。
しかしこのマクドナルド化によって属人生のある工程を少なくしたり、生産過程をマニュアル化したりする事が可能になるため、
必要コストを抑えて低価格でサービスを提供する事が可能になりました。
コストがかかる専門知識のある人を不要にし、マニュアルや決められたプロセスを行うだけで、均一のサービスが提供できるのが、このマクドナルド化の強みだと言えます。
またサービスを安価で提供できるという事は、一般消費者の下層にあたる人達をターゲットにする事ができます。
何か商品・サービスに対して安いほうがいいと考える消費者を大きく顧客にできるのは、人を集めるといった意味でもとても重要なポイントになっていますね。
マクドナルド化の強み
では次にマクドナルド化の強みについて見ていきましょう。
サービス提供において、プロや専門的知識が不要
強みの1つ目に、専門的知識が不必要であることが挙げられます。
従来はサービスを提供するために修行を積んだ料理人などを雇う必要があり、人件費コストが高くなってしまう傾向がありました。
しかし、マクドナルド化は企業が作成したプロセス定義やマニュアルよって、誰でもサービスを提供する事を可能にします
そのためわざわざ人件費の高い人や、専門知識を持っている人を雇用する必要がなくなりました。
企業にとって人件費のコストを下げる事は、利益を生む上でとても重要な要素であるため、この部分がクリアになるのは大きな強みだと言えるでしょう。
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教育が不要になる
2つ目に新人を教育する必要がなくなるという強みです。
人件費という視点からすると1つ目の強みと意味合いが似ていますが、サービスを提供し始めているか・まだし始めていないのかの違いです。
これまでは知識を持った人が知識のない新人に対して教育を行って、初めてサービスを提供する事を可能にしていました。
しかしこちらもすでに作られているマニュアルを参考にするだけで、サービス提供が可能になるため教育にかかる時間を不要になるというのは、
サービス業にとって革新的だと言えるのはないでしょうか。
提供価値の均一化
3つ目に提供できる価値を均一化できる事です。
これまではマニュアルやプロセス定義が曖昧な場合が多く、人によって提供できる商品・サービスの価値がバラバラになってしまう事がありました。
しかしマクドナルド化によって顧客に提供できるものが均一になり、顧客にとってのリスクを減少させることができます。
例えば日本全国に店舗がある飲食店のどれを利用しても、同じサービスを受ける事ができるのはマクドナルド化の強みです。
沖縄・東京・北海道の店舗どれを利用しても、出てくるものが同じであれば顧客は安心してそのサービスを受ける事ができますよね。
この強みは消費者に対して安心感と信頼感を生むことに繋がり、事業へのブランディングに繋がります。
顧客ターゲットの拡大
4つ目の強みとして低価格と安定的なサービスによって、顧客ターゲットを拡大させられるという点です。
サービスを提供するまでのコストを安く抑えられるという事は、販売する商品やサービスの価格を下げられるという事に繋がります。
大多数の消費者は何事においても、値段が安い方がいいと考えます。
そのためマクドナルド化による価格低減は顧客の満足度を向上させ、さらに顧客数を拡大させることができるでしょう。
マクドナルド化の注意すべき点
では次にマクドナルド化のビジネスモデルにおける注意点について見ていきましょう。
商品・サービスに高級感やプレミアム感がなくなる
マニュアルによって誰もが同じモノを提供できる事から、そのサービスには高い価値がつかず、プレミアム感がなくなってしまいます。
そのため高級感やブランドなどの希少価値を求める人からすると、需要がなくなるとも言えます。
マクドナルド化によって均一化されたサービスを求めるのか、人それぞれにカスタマイズされたサービスを求めるのかで、消費者の傾向が変わる事に注意が必要ですね。
競合にマニュアルを模倣される恐れがある
2つ目の注意すべき点に、競合他社にマニュアルを模倣される可能性があるという事です。
低コスト化とターゲット拡大のために、仕事内容を決まった流れにするのがマクドナルド化のビジネスモデルです。
その決まった流れを模倣されてしまうと同じ価値を提供できる企業が表れる事になり、マクドナルド化によって得た利益や顧客が分散してしまう事になります。
そのため企業はマニュアルやプロセス定義を模倣されないように隠したり、人によって伝えるマニュアル内容を考える必要がありそうですね。
人間がロボット化・機械化している
3点目に人間が行う仕事が機械化・作業化しているという点です。
これまで人間の仕事は、何かしら自分で考えて行動し、価値を生み出してきました。
しかしこのマニュアルによって仕事をするだけでは、機械やロボットにさせている事とほとんど同じで、やりがいや人間の仕事とは?という疑問に至ってしまいそうです。
マクドナルド化する社会について
「マクドナルド化する社会」という著書がありますが、この文章テーマは直接それに関係するものではなく、私個人的にマクドナルド化する社会について考えた見解を記載しています。
マクドナルド化というビジネスモデルは、事業者にとってコストを下げる事につながり、顧客拡大における売上上昇に貢献します。
しかしその事業で働く労働者はある意味で、ただ仕組みに乗っかったロボットと化している事になります。
このような傾向は元々、工場ラインでの仕事や製造業界で多く採用されていてその業界では当たり前となっていました。
IT技術の発展により、このマニュアル化はサービス業でも採用が可能となってきました。
単純な仕事内容は今後もマクドナルド化・ロボット化していくことになるでしょう。
そしてこのロボット化している仕事をするという事は、誰でもできる仕事を行っているという事に言い換えができます。
誰でもできる仕事を行っていると、すぐに置き換えが可能な人材となり市場価値は低くなってしまいます。
今後全ての事業や仕事がコスト低減のために、効率化していくことになります。
そんな中でどのように生きていくか、という目的・目標意識がとても重要な社会になってくると私は考えます。
まとめ
マクドナルド化とはという所から、強み、注意点、マクドナルド化する社会について解説してきました!
私も普段からマクドナルドでご飯を食べたり、何か作業や勉強するといった形でよく利用しています。
この記事を書きながら改めて思い返していたのですが、日本全国どんな店舗でもおいしいてりやきマックバーガーがでてくるのは、このマクドナルド化のおかげなんですね。
そういう視点で働く人の人件費や、仕入れコスト、提供されるハンバーガーの価格などを見ていると新しい発見ができるかもしれませんね。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました(*'▽')