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クリームスキミングとは?|特徴や例などをわかりやすく解説

 

 

クリームスキミングとは

クリームスキミングとは分かりやすく解説すると、多角的に事業を展開している競合企業の良いところだけを抜き出し、抜き出した部分の特化した戦略を自社でとる事を言います。

 

もう少し具体的に解説すると、すでに競合企業が展開している様々な事業を分析し、その事業の中で特に集中して需要があるターゲットや地域を探し出します。

そして地域やターゲット、ニーズに合わせた特化事業を展開する事で、競合にも勝利して高い利益率を上げられるというのがクリームスキミングのビジネスモデルになっています。

 

 

ビジネスモデル

事業を新しく始めて、成功パターンを模索するよりすでに存在している箇所から抜き出せるのがクリームスキミングの強みですね。

 

クリームスキミングは、従来から提供されているサービスよりも効率化を計れたり、最適な資源配分ができるようになります。

そのためクリームスキミングは既存サービスよりも低価格、高品質を実現できるのが大きな特徴です。

 

広く多角的に事業を行っている企業は、事業の一部に限定的な需要があった場合でも特化した戦略をとることはなかなか難しく、特定の事業を効率化する事は現実的ではありません。

このように広く展開されている既存サービスは、クリームスキミングによって生まれた新しいサービスへの対策をとることが難しく、大きな利益を生み出している企業でしか対抗する事は困難になるでしょう。

 

このようにおいしい部分だけを取ろうとする戦略から、クリームスキミングという名前が付けられたようです。

 

クリームスキミングの特徴

ではクリームスキミングのビジネスモデルにおける特徴を解説していきます。

 

クリームスキミングの強み

まずはクリームスキミングの強みですが、主な特徴は需要がある部分に特化してサービスを提供する事です。

 

特化したサービスだけを提供することにより、在庫コストや人件費コスト、仕入れコストを抑える事ができ、低価格を実現できる仕組みになっています。

そしてその低価格である事が利用者の評判や口コミを生み、その口コミや評判を見た消費者がサービスを利用するようになって、さらに低価格を実現できる好循環を作り出すきっかけにもなります。

 

まとめると事業特化による低コストの実現と、低コストからの好循環を生み出すきっかけになり得るというのが強みとして挙げられます。

 

また今まで存在していた既存事業の一部を真似して、提供を行うため新規事業として参入しやすい方法だという事も言えます。

 

クリームスキミングにおける注意点

しかし注意しなければならない点もあります。

 

正確な調査と競合企業への警戒

クリームスキミングを行って事業を開始するためには、既存事業を提供している企業のサービスについて正確な調査をする必要性があります。

正確な調査で需要やニーズを把握して、その需要に的確な形で応えられるサービスを提供することで、低コスト・高品質の強みが実現ができる事をわすれてはいけません。

 

また新サービスリリース後、競合企業の動きへの警戒を行っておかないと、クリームスキミングによって生まれた事業を維持できない可能性が生まれます。

サービス提供後に競合企業が対抗手段として、サービスの値下げを行った場合、クリームスキミングで生まれた価値は消えていくことになるでしょう。

 

公共性のある分野には参入できない

2点目にクリームスキミングは、公共性のある分野に事業を参入する事ができないという事です。

 

法規制によって良いとこどりができなかったり、行政からの要請によって事業の展開後に利益率が減少するような事業展開を求められる可能性があります。

そのため参入する分野にも注意が必要になりそうです。

 

ステークホルダーの存在

3つ目にステークホルダーの影響が挙げられます。

 

クリームスキミングによって事業が成功した場合、その後の利益のために株主に事業展開を求められたり、単純に様々な事に挑戦してみたいという経営者の気持ちによって、事業内容は変化していきます。

 

濃い顧客ニーズに対して低いコストでサービスを提供する事がクリームスキミングの強みなのに、利害関係者の影響によって事業内容が変化すれば、一番のうまみは減少していくことが予想できます。

 

クリームスキミングの例

クリームスキミングを行える事業の例としては飛行機業界や通信業界など、大多数に向けてサービスを提供しているものが挙げられます。

一部に特化するわけではなく、大多数に向けて提供しているサービスには必ず需要の波があります。

 

広く展開している事で一部では人気だけど一部ではあまり需要がなかったり、仕入れ・人件費・顧客ニーズなどが違ったりすることが必ず出てきます

クリームスキミングは全体最適のための無駄な設備投資や、過剰なリスクを取らなくていいので、優位に事業を進める事ができるんですね。

 

飛行機業界のLCCは全体最適を取ろうとするJTBなどに比べて、人気の路線や最低限の機内設備などによってコストを削減し、安価によるサービス提供が可能になっています。

 

まとめ

クリームスキミングという言葉を初めて聞いた時はビジネスモデルを連想するのではなく、何か甘い部分を取る作業!?、という反応をしていましたが、内容を聞いて、「あ~、確かに(`・ω・´)!」という印象に変わりました。

 

事業を多角的に展開する事で、様々な売上に貢献ができると考えていましたが、事業はそれほど甘くないようです。

一般人の身近な店に置き換えて考えてみると、総合大型モールのイオンにあるコーヒー屋か、専門的にコーヒーだけを扱っているお店なのか、人によってどちらがいいか分かれそうですね。

 

専門的に特化されたサービス、多角的な様々なサービスの使い分けがビジネスにおいて重要だという事が分かりましたね!

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございました(*'▽')

 


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