市場の失敗って何・・?
市場の失敗における具体例や原因がしりたい!
とりあえず分かりやすく、市場の失敗について説明して?
こんな風に考えている人に向けて、この記事では解説しています。
市場の失敗について分かりやすく知りたいと考えている人には、特におすすめの記事になっています。
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市場の失敗
市場の失敗は経済主体となる企業から発生したり、国の政策や規制、海外の影響など様々な要因によって発生する可能性があります。
市場の失敗が起こると該当する経済圏が非効率になり、生産活動の力が弱くなったり、雇用の減少が社会問題になったりします。
市場の失敗とは
市場の失敗とは簡単に説明すると、市場のメカニズムが上手く機能していない状態、効率的に市場が動作していない状態のことを指します。
市場の失敗が起きれば、政府は立て直すために市場を補完するための試みを行います。
競争によって市場が活性化し、消費者側もサービス提供者側も、不満や不安なく経済活動を行えるのがベストな状態だと言えます。
しかし政府の補完が必ずしも成功するわけではないという点に注意が必要です。
市場の失敗を理解する上で、重要なキーワードについて詳しく知りたい人は以下の記事も参考にしてみて下さい。(別タブで開きます)
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市場の失敗における政府の役割
市場メカニズムの発展を前提とすれば政府が行うべき役割の1つに、市場をより良く機能させる市場の維持があります。
例として、制度の整備や競争法の運営などもこの市場の維持に含まれます。
2つ目の役割に、可能性のある問題点や市場の失敗に対応するための市場の補完があります。
政府が金融的な手法を用いて行う財政制度は、金融分野の市場の補完にあたります。
市場経済の利用によって、正しく需要と供給が結びつけば得られるメリットも大きいのですが、市場経済には必ず失敗が伴います。
その失敗の修正と公平性を保つために対応するのが、政府と中央銀行の役割になります。
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市場の失敗の具体例
では次に、市場の失敗の具体例について考えて行きましょう。
3種類に分けて見ていきたいと思います。
情報の非対称性
1つ目に情報の非対称性です。
例えば創業したてのベンチャー企業には、将来に対する成長可能性が高かったとしても、過去の実績や信用履歴がないため銀行はお金を融資する事はできません。
お互いに正しい判断ができないため共に利益となり得る効果を失い、市場にとっては非効率な影響を与える事になります。
情報の非対称性の具体例
では具体例として中古車市場について考えていきます。
中古車の質について正しく判断し、売買するのが難しいという例です。
例えば中古車の売り手側は、これまで自分が車に乗って運転してきたので中古車の質に関して良く知っています。
しかし中古車を買おうとしている人には中古車の質は分からず、質という面で車の購入を考える事ができません。
このように車の質については中古車の価格に反映されず、どんな質でも中古車という同じ区分で売買されることになります。
同じ扱いという事は値段もそれほど変わらず、しっかり手入れした質の良い中古車を持っている人は損をすることになります。
損をすると思うと売り手側は手入れした自分の車を売ろうとは考えなくなり、中古車の市場には質の悪い車ばかりが供給されていきます。
売買するお互いが正しい情報を持てない場合、情報が非対称となり、これを要因に市場が衰退していくのが情報の非対称性です。
さらに具体的な情報の非対称の例ついて知りたい方は以下で解説しています。
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情報の非対称性の例|具体例から市場の失敗について理解を深めよう!
外部不経済
2つ目の市場の失敗に影響を与えるものとして、外部不経済があります。
外部不経済は簡単に説明すると、市場を通さずに経済活動に対して悪影響を及ぼす事を指します。
もっと分かりやすくいうと市場経済に基づく競争によって、悪影響が出るのではなく、災害や感染病などで市場を通さずに経済に悪影響を与える事を外部不経済と言います。
災害・公害・感染病
本来、市場経済では事業内容や事業展開の仕方、顧客ニーズの把握などが重要指標となり、それぞれの市場が勝負する事によって市場が活性化します。
そのため、市場を上手くつかめていない事業やニーズがなくなりつつある市場は衰退し、ニーズが存在する市場は活性化していきます。
需要があるという事は市場活性化が進むため、消費者全体にプラスの影響を与えるのですが、災害・公害・感染病などは市場に対して大きな悪影響を生みます。
市場の需要・供給や顧客ニーズなどを度外視し、経済に悪影響を与えるため、未然に外部不経済の要因を防げれば、文明の大きな進歩をとなるかもしれません。
大災害や病気を患っている時に「経済活動!」なんて言ってられないですよね。
環境汚染
また外部不経済の2つ目に、環境汚染が挙げられます。
例えば木材などの資源輸入やCO2排出、石油の消費が外部不経済に関わっています。
木材を使用するために森林伐採をしたり、大量生産するためにCO2を多く排出したり、エネルギーのために石油を消費したりするのは経済を活性化する上で重要な事です。
しかし、度が過ぎた資源消費は環境汚染につながります。
森林伐採することにより、土地の生態系や環境は大きく変化してしまい、Co2排出によって空気汚染の可能性も生まれます。
経済活動において環境の変化や地域への配慮は、どのような影響が生まれるのかあまり考慮されていないため、周りまわって悪影響を生む恐れがあります。
目先の利益を求めすぎると、結果的に悪い影響が自分達に返ってくる良い例ですね。
さらに詳しい外部不経済の例ついて知りたい方は以下で解説しています。
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外部不経済の例について|具体例から市場の失敗を理解しよう!
不完全競争
3つ目は不完全競争です。
外国政府との貿易摩擦による関税や、Microsoftのwindowsのようなプラットフォームとなっているサービスなどが具体例に当たります。
市場がしっかり機能するためには売る側も買う側も複数存在して、需要と供給のバランスによって価格が決定していく必要があります。
特定の経済主体による意思決定によって、価格に影響を与えられる可能性があってはいけません。
そのため独占禁止法が制定されていて、政府が正しく競争が起きるように調整していく必要があります。
しかし実際には独占状態が続いているサービスが複数あり、サービスに対する1社ごとの割合は増加しています。
さらに詳しい不完全競争の具体例ついて知りたい方は以下で解説しています。
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不完全競争の例|具体例から市場の失敗について理解しよう!
市場の失敗の原因
次に市場の失敗の原因についてです。
市場の失敗は具体例の中で解説してきた3つだけでなく、金融市場の変化、政府による市場の補完の失敗など、いくつか原因があります。
技術革新や時代環境の変化によって、市場の失敗がどのように発生するか、市場に与える要因の影響力はどれくらいなのかが大きく変化します。
また、市場の失敗が発生すればその後、どのように補完していくのかが重要です。
そのため国は市場の失敗がどのような分野・原因で発生しているのか検討し、効果のあるルール作りや正しい対策方法を考える必要があります。
具体的には、失敗の分野における原因は情報の非対称性、外部不経済、不完全競争の3つなのか、もしくは政策や、世界で発生している外部要因なのか、このような視点を持って検討しなければいけません。
これまでは国内の事だけを考えるだけで良かったかもしれませんが、グローバル化によってさらに視野を広く持つ必要がでてきました。
変化の多い環境下である事をふまえて市場の失敗の原因特定から、対策につなげていく必要があるでしょう。
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グローバル化の意味とは|世界が繋がる本当の意味について
市場の失敗への対策
次に、市場の失敗への対策です。
分かりやすくイメージするために、これまで行われてきた対策方法を挙げると
などが例に挙げられます。
これらは全て政府が行っているもので、民間企業が市場を作っていくのに対し、政府には適切なルールを作って市場のバランスを保つ事が求められます。
そのため政府は特有の立場であることを踏まえ、市場の失敗への対策を失敗で終わらせないよう、今後の市場に対する分析と予測をして、補完する事が重要です。
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まとめ
市場の失敗とは・原因・具体例について解説してきました。
市場経済は人々の需要と供給に結びついて動き、効率的に私達の生活を支えています。
しかし、情報の非対称性などの原因によって市場がうまく機能しなるくなる事もあります。
市場が正しく機能していなければ政府に市場の補完が求められますが、私達一般人が市場経済の中で、今何が起きているかを考えながら生活する事でより良い社会になっていけばいいなと個人的に思っています。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました(*'▽')